再会

ブルーハーツが解散した1995年、私は田舎の中学生だった。ライブハウスに行くこともCDを買うことも想像できないぐらいにどうしようもなく都会から離れた町で、10代の終わり頃までを過ごした。音楽はラジオやカセットテープで聴いていたので、ブルーハーツのCDはほとんど持っていない。
今の家からはツタヤやタワレコまで歩いて行けるけれど、ネットで当時のライブ映像を見るだけで充分。それに、大人の顔をして音源を買い揃えても、畳の上のラジカセが鳴らしたあの音より尊いものは得られないような気がしていた。

 

先週、レコードが発売されると知って、好きだったSTICK OUTとDUG OUTの2枚を買った。引っ越しで壊れてしまったレコードプレイヤーも新しいのにした。


まるで初めてヒロトの声を聴いたみたいだった。カセットテープと同じぐらい衝撃的だった。稲穂を撫でる風の音や、背伸びしてミスドでアイスコーヒーを飲んだこと、何度も押した再生ボタンの色まではっきり思い出した。
好きなものには何度でも出会えるし、いつでもあの頃に戻れるんだ。

 

大阪の夏

フラカンのオオサカサマレストに行ってきた。ゲストの真城めぐみさんとうつみようこさんを見たかったのに、用事を終えて汗だくで会場に着いたら、ちょうどお二人の出番が終わったところだった。土曜日はやることが詰まっていて、最近は楽しいことが後回しになりがちだ。


フラカンに、斉藤和義のようなエロさはない。ヒロトマーシーみたいな存在感もない。それでも、まるで久しぶりに地元に帰った時みたいに、ライブではいつもと同じ音に安心するし、ちょっとワクワクもする。

魚肉ソーセージ食べ過ぎた、とアンコールに登場したうつみさんはとっても素敵でかっこよかった。あんな大人になりたいと思った。